前置きが長くなったけれど、とにかくみそは日本人の食文化に長く深く根付いていて、かつては「自家製」が定番だった。その習慣から、自画自賛することを指す【手前味噌】という言葉が生まれたのは、あまりに有名な話。
先日行われた「みそ仕込みワークショップ」。
つまり、おいしいおいしい手前味噌をみんなで仕込もうじゃないか、という集まり。会場は静岡県駿東郡清水町の中村屋麹店。
124年続く老舗麹屋を継いだ5代目の中村さんご夫婦がお手伝いをしてくれた。
あとあと説明するけれど、大変な部分は、店主さんご夫婦が全部お膳立てしてくれてあったから、結論から言うと「ただただ楽しくて簡単だった」。
このご夫妻の経歴がこれまたおもしろいのだけれど、その話はまた別の機会に改めて。
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今回はグループでのワークショップということで、ひとつひとつの工程を
全員で一緒に進めていった。たくさん作る場合この方が効率がよいので、
昔の農家さんはお手伝いの方たちとこういうやり方で仕込んだのだという。
手をきれいに洗ったらまずは生麹(なまこうじ)を手でこなす。
こなすっていうのは、粉々にすること。かたまりの麹が、少しの力でほろほろとほどける感覚は、なんとも心地がいい。