先日、株式会社tasukiの運営するマミングサロンyadorigiの事業説明会に行ってきた。

場所は沼津市民文化センターから歩いて5分弱の閑静な住宅街。住吉町のバス停で降りると、ちょうど目の前にある淡いピンク色の一軒家。扉を開けて迎えてくれたのは、穏やかな顔の株式会社tasukiのみなさん。
北欧家具で統一されたリビング。yadorigiオリジナルのハーブティーをいただいていたら、不思議と気持ちが整ってくるのを感じた。



tasukiの代表である杉浦さん(通称きみちゃん)と私の出会いは、tasukiが2012年にフリーペーパーをスタートした時。当時私のブログを読んでくれていたきみちゃんと、デザイナーのモミ子さんが「連載しませんか?」と声をかけてくれたのがきっかけだった。それから6年。その間にお互い3児の母となり、沼津市の子育て支援課さんと一緒にnumacoを発行したり、子育てイベントを開催したり。私が定期的に乳児院に訪問するきっかけをくれたのも、きみちゃんだ。
一緒に活動をする中で彼女は、たびたびモヤモヤしていた。冊子を読んだママ、イベントに来てくれたママが、楽しく過ごしてくれるのはとても嬉しい。でも、それだけでは抜本的な子育て支援とは言えない。
そこで、モヤモヤ。
行政の子育て支援もたくさんある。でも産前のケアと産後のケアが繋がっていない。
また、モヤモヤ。
第2子出産の時、上の子のお世話を頼れる人がいないママに出会った。
モヤモヤ。
モヤモヤ。



やがて、つもりつもったモヤモヤは彼女を突き動かし、ついに今回の「マミングサロンyadorigi」の開業へとつながった。

マミングというのは造語で、妊娠した女性(mom)が、お腹の子と共に成長し母親になっていく(becoming)妊娠初期~産後1年の時期を表すそう。
yadorigi詳細はこちら↓
「yadorigi」が、マミング期と言われる妊娠初期〜出産後1年間を対象としているのはなぜか?(HPより)
《ママの誰もが初めての子育てと向き合う時に抱く不安や悩みに対し、「産前~産後約1年間の自分の居場所があればいいのに……」と、私自身が思っていたからです。心も身体、自分の置かれている環境が急激に変化をする産前産後、ママになっていくシフト期を多くの人に見守られ、大切に過ごすことが出来れば、自信と信頼で満たされ、これからのママライフはきっと充実したものになると信じているからです。》



事業説明会には、頼重沼津市長や新屋副市長をはじめ、沼津市の子育て支援関連課の皆さんや保健センター長、地域の子育て応援企業のみなさんや各サークルの代表なども来ていて、期待度の高さが感じられた。プレゼンの最後できみちゃんがこらえられずに涙した部分がある。
世界中の子供がしあわせになるように
確かにこれは、大きすぎる目標かもしれない。叶えることは難しいかもしれない。でも彼女は本気でそう願っていて、できると信じている。そして彼女には助けてくれる家族や仲間や先輩がいる。彼女の周りにいる人はみな、なぜだか彼女に協力したくなってしまう。「大丈夫?何手伝ったらいい?」と言いたくなる。何だこの感情は。

その答えがでないまま、私はおととい次男(3歳)とアンパンマンの映画を観に行った。お話しの終盤で、村に住む動物たちに困難なことがあって、もう頑張れないなあっていう空気感が村全体に流れていた時に、誰かが「アンパンマンだって頑張っているんだから、僕らも頑張ろうよ」と言った。そうしたらまた別の誰かが、「僕らはアンパンマンのようには強くないから頑張れない」と水を差した。そこで回想シーンのアンパンマンが登場してこう言った。
「僕はそんなに強くないよ。ただみんなが応援してくれるから、頑張れるだけなんだ。僕の強さは、僕だけのものじゃないんだよ。」
それを聞いて、きみちゃんてなんとなくアンパンマンみたいだなと思った。
もちろん有能で魅力的な女性だけれど、どこか抜けている。どこまでもまっすぐで表裏を持てない不器用な人。アンパンマンも、自分の顔を困った人にあげすぎて飛べなくなったり、ジャムおじさんとバタコさんが新しい顔を焼いてくれなかったら復活できなかったり。うん。似ている。アンパンマンきみこ。きみパンマン。

きみちゃんを支える、心やさしい内田しょくパンマンと仲間たち。(もはや言いたい放題)そしてわたしたち村人。みんながyadorigiの成功を切に願っている。これは本当。
できるだけたくさんの妊婦さんがyadorigiのドアを叩き、明るいマタニティ期、そして子育て期を過ごすきっかけを手にできますように。「沼津は子育てしやすい?」の1つの答えが、これからはyadorigiになる。


