春のよき日。ミッチのおひなさまたちが我が家にやってきた。

おひなさまたちを運んできてくれた人形屋さんは、「家族が集まる空間に置いて、毎日眺めてください」とアドバイスしてくれたけれど、兄弟が走り回るリビングに置くのはやっぱり気がひけて、結局玄関の端に置いてもらった。
チロは、一団の到着以来ずっとお内裏さまが気になっているようで「バカ殿様だよね?ねえそうだよね?」と言っている。アニは、夕方になるとぼんぼりに明かりをつけて、わたしに内緒でお飾りを触ったりしている。ふたりとも子供心に、大切に触るもの、優しくするものっていうのがなんとなくわかっているんだなと感心した。
4月から新1年生と新年少になるこのふたり。2月に入って、アニの学校説明会やチロの入園説明会、それぞれの用品の名前つけやアイテム作りに追われている。そうこうしていたらミッチが突発性の熱を出したりして。世のお母さんはこの時期みんなそうなんだろうけれど、1日が笑っちゃうくらい早くて、頭のどこかにいつも、やらなきゃいけないことのリストがずーっと残っている。1日、いや半日でも1人っきりの時間をもらえたら、ばばばーっと諸々が片付いて気持ちいいんだろうな。テトリスみたいに全消ししたい。

そういえばさっきアニの宿題をチェックしていたら、こまった人みたいならくがきがでてきた。最近は、2年生の漢字の読みかきや修飾語とかを教わっているみたいで、宿題をしていても難しいとすぐ脱線する。
昨日の幼稚園の個人面談では、「ひらがなの課題はクラスで一番早いです。朝夕のおしたくはクラスで一番のんびりです」と言われた。基本的に何をするのものんびりで、誰かに勝とうとか一番になろうという気持ちはあんまりなさそうな彼。小学生になったら日々のタスクに追い立てられるのかなと思うと、ちょっと気の毒になった。
とはいえ誰もが通る道だから仕方ないんだけど。あらためて考えると、時間も忘れて一緒に遊べる時期なんてほんとはすごく限られているんだってことを、出口に近づいてようやく実感した。